始まり―門前にて

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魔術と呼ばれる力がごく当たり前に生活に浸透している世界、その為か優秀な魔術を行使する者―魔術師を育成する施設が世界中にいくつも存在する。 少年が着ている制服の学園、四聖院魔術学園もまたそんな施設の一つで、かつ三大魔術学園と名高い超エリート校に呼ぶに相応しい学園なのである。 その為か将来有望とされる子供達が数多く集まる学園なのだが、正直そんなこと少年には関係無かった。 「はぁ……」 もう一度、重苦しい溜め息を漏らす。 場違いとは言ったが、別に四聖院魔術学園に入る事が嫌と言う訳じゃない、先程の愚痴はむしろ諦めの方が強かった。 少年は何気無く思い出す、つい三日前の話を。 四聖院魔術学園に入るきっかけとなった、その時の会話を。 無駄に大きな門を見据えながら、ゆっくりと。 ―――――――――――――――
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