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いつの間に出掛けていたのか、と言う疑問は置いておき龍児は携帯を握りながらも今言った通り求人紙を捲る。
その言葉に電話相手は疑問の声を挙げる。
『バイトって、金が要るのか?言えば貸してやるのに……』
「そう言ってくれるのはありがたいが、別にない訳じゃない、何も金欲しさにバイトしようって訳じゃないからな。」
では何の為に?龍児が直接口にしなくても電話相手は理解したようだ。
『そういう訳か……だがそんな事する暇は無いぞ、多分。』
「あ……何か新しい“任務”か?」
する暇が無いと言うことは、それだけ“仕事”があると言うことか、もしくはかなり長い期間でするものなのか……
その答えに返ってきたのは、問い掛けだった。
『龍児、お前学校に興味は無いか?』
「…………はぁ?学校?」
何故急に学校の話が出てきたのか、思わず疑問が口から漏れる。
興味が無い、と言えば嘘になる、龍児は今年で十六、訳あって小、中学校を余り行っておらず高校受験も訳ありで受けれなかった、行けるならば行きたいところだが……
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