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荷物を纏めておけと言うことは、もしかしたら寮暮らしになるかもしれない。
そう思い素直に了解するが、取り敢えず聞きたいことがあった。
「俺が行くことになる高校ってなんて名前なんだ?」
『それは入学式当日まで楽しみに待っておけ、良いな?』
思えばこの時無理矢理でも聞くべきだった、にも関わらず龍児は聞くことをせず渋々納得して聞かなかった。
「分かったよ……取り敢えずその日を楽しみに待っておくさ。」
『そうしておけ、じゃあおやすみ龍児。』
「あぁ、おやすみ。」
電話を切り、求人紙を部屋の隅へと追いやり龍児は近くにあった白い掛け布団が敷かれたベッドに寝っ転がる。
既に入浴は済ましているから後は寝るだけ、だがその前にベッドに転がりながら少し思考を巡らせる。
(急に学校に行けるなんてな……親父が何考えてるか知らないが正直ありがたい話だぜ……)
まさか学校名を知り後悔することになろうとは露知らず。
期待と不安を抱えながら、龍児は眠りにつくのだった。
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