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あれからすぐに晩ご飯を作って、お兄ちゃんと向かい合って食べている。
それにしても──
「えへへ~、わたしがお姉ちゃんかぁ」
お姉ちゃんな自分を想像して、つい顔がにやけてしまう。
「さっきの様子じゃ、ちょっと不安だけどな」
「あぅ……だって~」
苦笑いするお兄ちゃんに、わたしは頬を膨らませる。
結局は、わたしが早とちりして、勝手に不安になっていただけだった。
今さらながら、恥ずかしい。
「やっぱり、お姉さんとして迎え入れようかな。ハルもその方が甘えられて良くないか?」
「お姉ちゃんかぁ…う~ん……」
お姉ちゃんはお姉ちゃんで欲しいかもしれないとも思う。
だけど──
「やっぱり、妹がいい!」
「あはは、そっか」
「それにね?」
「ん?」
「わたしが甘える相手は、お兄ちゃんだけで十分だもん♪」
「…………」
お兄ちゃんの食事の手が止まる。
というか、わたしの方を見たまま固まってしまった感じだ。
「お兄ちゃん?」
「な、なんでもない!」
お兄ちゃんは顔を真っ赤にしながら、ご飯を掻き込みだした。
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