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つい溜息が漏れてしまう。ひどく気持ちが沈んでいるのが自分でも分かった。
原因はさっきまでやっていたテレビの内容──『放置マイロイド問題の特集』だ。
放置問題の当事者達には申し訳ないが、かといって、彼女達にわたしが何をしてあげられるわけでもない。
ハカセ達にすら解決できない難問なのだから、それも仕方なくはあったが。
(お兄ちゃんみたいな人がマスターだったら……あんな酷い事、絶対しないのになぁ)
はっきりとそう言い切れるほどに、マスターであるお兄ちゃんから大切にされている自覚があった。
「──と、いけないいけない」
ふと我に返り、時計を見る。
テレビに見入っていた所為で、時間が結構経ってしまっていた。
気持ちを切り替えようと両手で軽く頬を叩く。
「よしっ!」
半ば無理矢理に気合いを入れながら、先程たたみ終えた洗濯物を抱え上げた。
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