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次の日
私は公園の特等席で作戦を練ってた。
大きな木が一本植えてあってその回りにベンチが4つ囲うように置いてある。
アタシの特等席はそのうちの一つだ。
上を見上げれば葉っぱの隙間から木漏れ日が落ちてくる。
まるで星みたいだ。
「綺麗…」
もう見慣れたはずなのにため息と一緒に言葉が口から漏れる。
また切なくなった。
なんで祐斗なんかに切なくなるの?
なんで悲しくなるの?
祐斗なんかに振り回されたくない。
イヤだよ。
プライドと本心が混ざりあっておかしくなる。
ついつい下をみる。
本当は好きだった。
初めての彼氏だったから大切にしたかった。
キスを求められたときは嬉しかったけどその倍に恥ずかしかった。
アタシとキスできる仲になったとずっと思ってた。
なのに…
なのに…
キスは本能的に。
ヤラセロヨって何!?
アタシまだ小6なんですけど?
頭ん中おかしいんじゃない?
ふと顔を上げると夕方になりはじめていた。
「帰ろうかな」
そう思っていたとき
「よぉ綾部」
ニヤニヤしながら声をかけてきたのは祐斗の友達だった。
「何?なんか用?」
わざと睨んでやった。
「祐斗と別れたみたいじゃん(笑)」
「つかフラれたんだろ?」
「おいっそれ言うなよ!可哀想だからっ(笑)」
「あっごめんねー美恋ちゃんっ」
………………。
「あれ?泣いちゃった?」
「あー雅司(マサシ)泣かしたー!」
「えっ俺泣かす気なかったんだけどなぁ…
つかこんだけで泣くなよ」
………………。
「まぢで泣いてんの?」
…………………。
「えっまぢ?」
……………。
「祐斗にフラれた傷に塩塗っちまったしなー」
…………………。
「まぁそう落ち込むなって!俺がついてるからさっ」
「ギャハハハ!ウケるーなんなら俺が…」
バキッ
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