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朝、アタシが廊下を通っているとみんなが避ける。
て言うか、
みんな怖がって近寄らない。
前に挨拶していた子達も今はアタシをチラリとみて”こわいー“とか“まぢで殴ったの?”とか
そんな陰口を言っている。
前のアタシだったら完全にショックで立ち直れなかっただろう。
でも今は違う。
今のアタシの心は
無
だ。
喜びも
悲しみも感じられない。
もちろん表情もだ。
6年2組の前を通ったとき…
「美恋っ!」
アタシを読んだのは
咲だった。
「ちょっとこっちに来てっ」
アタシは咲に引きずられながら連れていかれた。
着いたのは女子トイレだった。
「美恋!どういうコト?」
この子はアタシに殴られるとか考えないのだろうか。
なぜ避けないのだろうか。
「えっとね、公園で寝ててねぇ、祐斗の友達とお話しててねぇ 気づいたら夜でねぇ 面白かったから笑って帰ったのー。」
赤ちゃん言葉で話す。
今はなぜかそれしかできなかった。
「意味わかんないよ。祐斗の友達からなんて言われたの?」
「んっとねぇー可哀想にとかぁ、フラれたの?とかぁいっぱいお話したよぉ」
咲は眉を潜めた。
あれ?なんで難しそうな顔するのかなぁ?
トイレ行きたいのかなぁ
「そのときどう思ったの?」
「んっとねぇ…わかんなーい(*^▽^*)」
だって覚えてないもん。
それより給食まだかなぁ…
「はぁ…アンタ完全に狂ってるわ。本当は祐斗の友達に聞きたいけど、今病院だから聞けないなぁ…」
え?
びょういん?
祐斗の友達びょうき?
風邪ひいたのかなぁ?
お見舞い行ってあげなきゃ♪
アタシは1人で女子トイレを出ていこうとした。
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