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幻想世界。
俺「うぼるぶるあああああ!?」
珍鎮丸「うわっ。いきなり何か乱舞しながら叫んで来たっ」
修造「あれ人間が出来る動きか?」
俺「ぎしゃるぶるぼああああああ!?」
珍鎮丸「しかもそのまま我達をスルーしていったっ」
修造「何しに来たんだろ」
幻想世界からの帰還。
俺「、、ねぇ朱里ちゃん」
手が震える。話し掛ける声も震える。俺でも分かる。目の前に居る娘は朱里ちゃんであって朱里ちゃんでない。
朱里「なんだい?ご主人様」にゃりと笑う表情。
俺「朱里ちゃん、、だよね?」
無意味な質問をしてみる。そんな質問をしてみたくなるくらいに、今の朱里ちゃんはワイルドすぎた。
朱里「、、あぁ。もちろんだ。あんたの事が大好きで、えっちな勉強が大好きな。あんたの奴隷である朱里ちゃんさ」
可笑しそうに口許を緩める目の前に居る「朱里ちゃん」。
その瞬間。
俺を好きだと嬉しそうに、だが恥ずかしそうに言っていた純粋無垢な朱里ちゃんの笑顔が、音をたてて崩れていく。
俺「何故変わった、、朱里、、」腕の震え方が悲しみに変わる。
朱里「ん~。俺は変わっていない。時代が変わったのだ」
その一言で確信した。
俺「貴様は断じて朱里ではない!!」
たぶん俺が北斗的な拳法を伝承していたら、今この場面で服が破れているだろう。
そんなシチュエーションを若干楽しんでいたら。
彩月「、、、朱里だ。身体わ」
個室から彩月ちゃんの声が聞こえてきた。
俺「え?」
朱里「っ。彩月ぃ~、、、フルコースを満喫したいらしいな?」
少しため息を着いて彩月ちゃんに呼び掛ける。
だが。
彩月「、、、朱里であるが朱里でない。そいつは朱里にある別の人格だ」
呼び掛けを無視して話を続けた。
ちょっと待て。別人格ってどういう事だ?。
彩月「、、、要するに朱里を守る為に生まれてきた。もう1つの人格。それが今居る朱里だ」
俺「っ」
「守る為に」という言葉を聞いて分かった。
朱里ちゃんが話してくれた昔の事が関係してる。
俺は自然と朱里ちゃんを見詰めていた。
朱里「、、、」
ぽりぽりと頬を掻いて居心地悪そうにする「朱里ちゃん」を守る「朱里ちゃん」。
そんな朱里ちゃんを見て。
俺「朱里ちゃん、、って呼び方のままでいいかな?」
何故だか少し嬉しさを感じた。
朱里「様をつけろよデコ助やろう」
同時に。
少しムカついた気持ちになった。
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