5455人が本棚に入れています
本棚に追加
/690ページ
「勇ちゃーん!! はいこれ招待状!!」
「は? 何これ?」
「ちなみにダチ連れてきてもいいから!! 幸子ちゃんとか誘ったら?」
「だから何これ?」
「勇ちゃんが来るの、楽しみにしてるから」
「だから!! 何これ?」
「絶対来てよ!!」
「…………」
こいつ……。
嬉しそうににこにこ笑いながら、悪気なんてさらさら無いように話しかけてくるけど、私の疑問はことごとく無視!?
リビングでくつろぐ水曜日の夜。
お風呂を済ませて顔パックをし、ソファーで足組み座ってテレビで今話題のDVDを観ていれば。
学校の鞄を漁っていた虎次郎は突然、今私の手の中にある桜色のパンフレットのような紙を渡してきた。
紙を渡してきた時点でハテナものだというのに、詳しい説明を求める私の質問も無視する虎次郎に、ぐしゃりと、手の中にあった紙は握り潰された。
「ああー!! それ大事に扱ってよ!! 地図にもなってるんだし!!」
「だから何の!?」
「ちなみに俺は2ーAだからね!!」
私は我慢強くない方だと、虎次郎相手だと常々思う。
まだ私の質問を無視する虎次郎に怒りのバロメーターは限界値を突破し、立ち上がるや否や
「ぃだっ!?」
虎次郎の腹を蹴った。
ムエタイ選手並に思いっきり。
最初のコメントを投稿しよう!