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取り込んだ洗濯物を洗濯機にぶち込んで、でも一枚だけは入れずに虎次郎の前に差し出す。
「これはどうする?」
「え? 貰っていいの?」
「ぶっぶー!! 不正解!!」
「いったぁっ!!」
虎次郎の目の前で揺れる青いブラジャーを虎次郎は嬉しそうに掴もうとしたから、容赦ない張り手をぶちかました。
パーン! と、なんとも素晴らしい音を聞きながら、洗濯機の横、壁にぶら下がっている小さなネットを痛がる虎次郎に見せる。
「ブラはネットに入れて洗濯。私同様繊細な衣服はネットに入れること。そしたら洗濯機の中でもみくちゃにされず、可憐な姿をそのままに維持出来るんだから」
「勇ちゃんって繊細?」
「繊細よ!!」
ふざけたことを呟く虎次郎にくわりと吠えながら、ネットに入れる衣服の種類を教えると、洗剤を投入。
その際、勿論量と柔軟剤の存在を忘れずに教えて。
それが終わると洗濯機が止まるのを待つ間に料理を教えるとして、台所に移動。
…………でも待て。
料理を教えるとなるとかなりの量にならないかしら?
だとしたら教えるより、私が作った方が断然楽だし効率的よね。
よし!!
「虎次郎!! キミは向こうでおすわり!! そして待て!!」
「俺犬じゃないけど?」
「刃向かうなら即刻退場!!」
「分かったよ」
台所から虎次郎を追い出すと、真っ黒こげのトーストを片付けて、朝食作りに取りかかる。
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