〇〇〇、拾いました。

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立てば芍薬座れば牡丹。歩く姿は百合の花。 美しい、絶世、美女。 それらの言葉は私、橘勇(タチバナイサミ)の為に生み出されたような言葉である。 もしくは、私がこの世に生まれ落ちるのを待ち焦がれ、先に用意しておいた言葉か。 ハニーブラウンのウェーブがかけられた髪は腰まで流し、目はくっきりとした二重で、睫は付け睫不要な程に長く量があって。 鼻は高く桃色の唇はふっくら魅力的。 肌は艶と張りがあってシミも皺も無し。 体型だって、出るとこは出て、引っ込むとこはきゅっと引き締まっている。 世界のスーパーモデルと並び歩いても決して引けをとらない美を持っていると、自信さえある。 いいえ。 周りも認める程。 通りを歩けば男だけでなく女も私に振り向き、羨望の熱い眼差しを向けてくるもの。 おかげで今日も……。
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