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「勇ちゃんは相変わらず男前だね!!」
「絶世の美女である私に男前だなんて言わないでくれる? ここに来なくなるわよ?」
「ああーそれはやめてくれよ!! 勇ちゃん目当てでくる輩もいるんだからさ!! チャーシュー飯をタダで付けちゃうから」
「よしっ! なら許す!」
無料ご飯ゲット!!
巻いていたストールを椅子の背に掛けた私はほくほく顔。
涎が垂れそうになるのを我慢しながら腕を組み、注文したものが出来上がるのを待った。
でも待ち時間なんて大してなく、大将の威勢のいい声と共に私達の前にできたてで美味しそうなラーメンが並ぶ。
勿論タダになったチャーシューご飯付きで。
「これ、とんこつ? 勇ちゃんってとんこつ味なんか食べるわけ?」
エルボーの痛みから帰還した虎次郎がラーメンを見て、不思議そうに聞いてきた。
注文したラーメンは油たっぷり浮いて濃厚そうな色をした、とんこつラーメン。
私はこれが大好きで、れんげでそのスープを掬う。
「ラーメンはとんこつが一番よ。濃い味が好きなの」
「へぇ、意外。でもいいわけ? 男の前でラーメンなんか食べてさ。普通女の人って、音が鳴って汁が飛ぶ食べ物を男の前で食べるの、嫌がるじゃん」
「普通って何? 私は食べたいものを食べる!! 男の前とかそんなの気にしないわよ」
好きなものを食べるのに何故、男の目を気にしないといけないの?
そんなの気にならないから、スープを音たてて飲んでやったわ。
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