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アイギス部隊はほかの兵士達と比べ、特殊なルールが多い。階級がランク付けという制度もそうだが、Aランクともなるとかなりの優待をうける事が出来る。この豪華な寮もその一つだが、Aランク以上ともなると専属の整備士をつけることが出来るのだ。
そしてあたしはその専属整備士として配属された、いわばエリートなのだ。エリート、なんと素晴らしい響きだろう。
あたしには学生時代の思い出がない。それは記憶喪失だとか、そんな映画によくありがちな理由ではない。アームド・アイギス学園の整備科に在席していたあたしは努力というものを惜しまなかった。友達も、正直言って少なかった。
しかしそのおかげであたしは通常よりも早く必修カリキュラムを終え、第一級アームド・アイギス整備士の資格を得た。つまり、飛級で卒業したのだ。修学旅行や卒業式などの思い出がないのはそれが故だ。
17歳でAランクアイギスチームの専属整備士、そこそこのニュースになったらしい。もちろんこれは最年少記録だし、少なからず誇りに思っている。しかし、あたしの夢はまだ叶ったわけではない。
「あたしの夢は……」
おっと、独り言が長くなってしまった。まるで誰かに向けて説明しているみたいだったな……。自重しなければ。
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