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なんて考えている間に入り口に着いた。かなりの広さを持つこの寮は入り口にたどり着くのもやっとだ。軍の寮、と聞くと薄汚くて冷たいイメージを持つが、そんなことは全くなく外装通り高級マンション並みの美しさだ。白い大理石が目に眩しい。
「すいません、ホワイトイーグルの部屋はどこですかね?」
受付のお姉さんに尋ねる。眼鏡をかけた、ふんわりした雰囲気の優しそうな人だ。おそらく名前は和(のどか)だろう。勝手な想像だが。さすがAランク、受付のお姉さんも気品が伴う美人だ。
ちなみにホワイトイーグルというのはあたしが配属されたアイギスチームの名前だ。発足されてからまだ日が浅いが、あっという間にAランクまで上り詰めたエリートチームだ。エリート、なんて素(以下略)
「あ、新しく配属された整備士さんですか?」
「はい、そうです」
「そうですか、私はこの寮を管理している大和というものです。よろしくお願いしますね」
優しい笑顔だ。出来れば下の名前も教えて欲しかったな。でもすでに名字に「和」っていう漢字が使われてるから下の名前が「和」っていう可能性は……
「整備士さん?」
「……ああ、はい!何ですか和さん!」
「あれ、なんで私の下の名前知ってるんですか?」
ホントに和さんでした。
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