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「ねえユキ。前からちょっと気になってたんだけど。あんた何で、そんなに缶コーヒーが好きなわけ?」
「…………」
「何黙ってんの? ねえ? 質問に答えなさいよ」
「……いや、美鳥。その話しは特に面白くもないから別の話しをしないか? ほ、ほら!この前、孫が目玉焼きをさ――」
「は? 何で今その話しをしなくちゃあいけないわけ? 私が知りたいのは、何でユキがそんなに缶コーヒーが好きなのかって事で、孫君の目玉焼きの話しの事なんて、もう散々ネタにして、話し尽くしたから全くどうだっていいの! いいから、さっさと私の質問に答えなさい!」
「……つまらないぞ?」
「別にいいから」
「本当にくだらない理由だぞ? 聞いたところで、何一つ面白くもなんともないぞ? それでも――」
「くどい!! いいからさっさと話しなさいよ!」
「……分かったよ。……ら」
「んっ? 声が小さくて聞こえない! はっきり言って!」
「……ったから」
「まだ小さい! もう! ぐじぐじしないで、男らしくはっきり言いなさいよ!」
「ああ! 分かったよ! ……作者が好きだったからだよ!」
「……は?」
「だから! 『自堕落~』の初期作を書いていた頃、作者が缶コーヒーにハマっていたから、その流れで俺は缶コーヒーが好きって設定になったんだよ? 分かったか?」
「あ……うん……なんか、ごめんね?」
「……いいよ」
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