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高校を卒業後、青臭い自分はデザインを専攻する学校へ通っていた。
たくさんの夢を見る学生の中、俺もまた夢を見ていたのだ。
調理、製菓、美容、被服、絵画……あらゆる分野で必要視されるのは、デザインだ。
人と全く違うのではない。けれど新しく、幻想的な独創力。
過ぎていく日々、才能の有る者は一握り、篩にかけられる才能の無い者。
三年前の自分は、才能の無さ、自分の限界に幻滅していた。
そして、ふと、気付いてしまった。
――自分はこの夢に向いていない。
『何の理由もなくこの世界に踏み込む人なんて居ないんじゃないかな』
それから、様々なデザインに触れることに興味がわいた。
幸いにも人の才能を見付ける才能はあったらしい。
飲食店、ブライダル、古民家の再建設に至るまで、必要な場に必要な人材を派遣する。
主に、才能があるのに仕事にあり就けていない若者を使った。
三年の間に一つの小さな会社は少しずつ軌道に乗った。
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