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「バウ~!!」
『あ…っ!!』
一度大きく吠えた後、更に引っ張る力を強めたバウ。
そのあまりの力強さに、私の手から離れるリード。
左手には土手があり、その下には大きな川が流れていて…
あろう事か、バウはその坂道を凄い勢いで駆け下りて行く。
『バウ!!ダメ!!そっちに行っちゃダメ!!』
慌てて、バウが消えた土手に駆け寄ろうとしたその時……
「これ、持ってて!」
ポーンと投げてよこされた、エナメルのカバンとサッカーボール。
『え!?』
ワケもわからず、それをキャッチした瞬間…
風が、私の横を通り抜けた。
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