出逢い

9/10
前へ
/77ページ
次へ
不満だらけの私だったけど… 良く考えたら、彼のジャージが泥んこになったのは私……もとい、バウのせいであって。 『……。』 「ん?」 『イイエ。』 逆らえそうにない。 人として、逆らっちゃいけない気もする。 『わ…わかった。』 ちょっとムッとしつつも、仕方がないと諦めた様子の私を見て、満足そうに笑ったあなたは 「よし!俺の名前は航太。宮崎 航太!そっちの名前は?」 笑いながらそう言うと、私の返事を促すように、少し首を傾げた。 宮崎…航太。 『……佐々木 美青。』 「オッケー。美青ちゃんね。じゃー、スタジアムの入り口で名前言えば、通れるようにしとくから!」 『……。』 「よろしく。」 そう言ってにっこり笑うと、大きな手を私の頭の上にポンっと乗せ そのままバウの頭をガシガシ撫でて… 「じゃーなー!また明日!」 と、私に預けていた(ジャージ以外の!!)荷物を持って、走り去って行ったんだ。 .
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加