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不満だらけの私だったけど…
良く考えたら、彼のジャージが泥んこになったのは私……もとい、バウのせいであって。
『……。』
「ん?」
『イイエ。』
逆らえそうにない。
人として、逆らっちゃいけない気もする。
『わ…わかった。』
ちょっとムッとしつつも、仕方がないと諦めた様子の私を見て、満足そうに笑ったあなたは
「よし!俺の名前は航太。宮崎 航太!そっちの名前は?」
笑いながらそう言うと、私の返事を促すように、少し首を傾げた。
宮崎…航太。
『……佐々木 美青。』
「オッケー。美青ちゃんね。じゃー、スタジアムの入り口で名前言えば、通れるようにしとくから!」
『……。』
「よろしく。」
そう言ってにっこり笑うと、大きな手を私の頭の上にポンっと乗せ
そのままバウの頭をガシガシ撫でて…
「じゃーなー!また明日!」
と、私に預けていた(ジャージ以外の!!)荷物を持って、走り去って行ったんだ。
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