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宮崎 航太から泥んこジャージを渡され、“お洗濯大臣”とやらに任命された私は
家に帰ると、泥んこを流しで軽く洗い流し、それを洗濯機に放り込んだ。
『むむむ…』
何でだろう?
何でこんな時間に、私は洗濯をしているんだろ?
何度も自問自答しつつも、今更どうしようもないと諦めて…
星空が見えるベランダに、すっかりキレイになって、脱水までされた元・泥んこジャージを、広げて干した。
“明日、この先のスタジアムで試合がある。”
そんな宮崎 航太の言葉を思い出しながら、私はベランダの手すりから、腕をだら~んと垂らし、庭を見下ろす。
『明日、天気良さそうだなぁ~…。』
庭の片隅にどーーーんと置かれた犬小屋では
私の気持ちなんて知らずに…お洗濯大臣になる原因になったバウが
気持ちよさそうに、スヤスヤと眠っていた。
『くっそう…。バウめ…。』
軽く悪態を吐きながらも、私はこっそり
“明日、もし雨が降ったらどうするんだろう?”
そんな事を考えながら、眠りについたんだ。
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