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左近を乗せ白き者は山を駆け降りる、左近と白き者の合わさる姿は誰にも見る事ができない程、早く人の足で一日かかる山下りだが村が見える所まで一瞬で着いてしまうほどだった
「見えた」
左近は肉眼で村を確認するが、それは左近が今までの暮らしていた村の姿では無かった
「そんな…嘘だよな」
田畑は燃え人々は血を流し、あまりにも無残な光景だった
「おっかーはる坊」
白き者から下り、母と妹の名を叫びながら村へと走っていく左近、それを白き者は離れた所から見ていた
『いやぁっやめて』
左近が自分の家の前に来た時、聞き覚えのある女の声を聞いた
「はる坊!」
勢い良く扉を開けた左近の目に飛び込んできた物は二人の男に囲まれ、着物が開け手首を縛られた妹、小春の姿だった
【なんだ?お前は】《俺達はこれからこの女で遊ぼうとしてるんだ、邪魔をするな》
この言葉に我を忘れた左近は、相手が刀を持っているのもお構いなしに殴りかかった
「小春から離れろ!」
が…勢いは良かったがさすがに二人の男には勝てなかった、左近は袋だたきにあい柱に縛られた
【なにが小春から離れろ~だ】《めちゃくちゃ弱いじゃないか》【そこでおとなしく妹が犯されるのを見ているんだな】
縛られ、身動きが取れない左近、二人の男が小春のもとに近いて行く、左近が声にならない小さな声で「やめろ」と言った、その時扉が壊され一人の男が中に入ってきた
〈お前達、何をしている俺は村を襲えとは言ったが、女を襲えとは言ってないぞ〉
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