はじまり

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日も暮れ、辺りも暗くなる中、左近が暖をとっていた 「前に野宿した時より寒くは無いな」 左近はたまに山奥に入りちょくちょく野宿をしたことがあった。 最初に野宿をした時は火を点ける道具を持っていなかったが一度あったことは二度三度あると思い、左近はその日から道具は持ち歩いていた。 「しかし、この山にこんな穴場があったなんて、ここまで来て正解だったな」 木々の間から覗いている星を見上げながら、腕を組み満足感にひたっていた。 「でも、辺りは森、森、森で薄気味悪いな…ハァ」 辺りを見回しながら深いため息を吐く、幾度と無く野宿をして来た左近だが夜の山は少しだけ苦手だった。
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