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それは美しく、月の光りが透き通る白い鬣をより輝かせ、風がそれを優しく撫でる
「なんて綺麗なんだ」
左近は幻を見ているのかと目の前の光景を疑った
「でも…何て言う生き物だろう、犬か?嫌、犬にしてはやけにでかい…狼だとしたら怖いが、こんな毛が長い狼見たことがない」
左近がこう思ったのは、この国の狼は毛が短く、白いとは言えない灰がかった色の狼しかいないからだった
「しかし、なんでこいつあの場所から動かないんだ…………ん?」
不思議に思いそいつの周りを見回していた時、足から血を流しているのを見つけた
「罠にでもかかったのか?怪我をして動けないんだろうな、かわいそうに」
手当てをしてやりたいのだが、怖がりで勇気がない左近は不便に思いながらもその場を後にする
「しかしなんて綺麗な動物なんだろうか、犬だったら近づけたかもしれなかった………」
半分くらい戻って立ち止まる、そして何を思ったのか左近は走り出し野草が入ったカゴを持って、白き動物のもとに戻って行った
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