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「やめて。なんかシたくない」
「そう。わかった」
雪は残念と言いたげに体を離してきた。
「あのさ、実は和音と別れた」
「は?」
私は雪の言葉が理解できなかった、したくなかった。
普通なら、「嬉しい」とか「ホント?」とか可愛いことを零すんだろうけどさ。
私は雪なんて何とも思っていないから、正直困る。
「俺は最初から和音を幼なじみとしか見てなくて、出会った時から凜香に惹かれてた」
真剣すぎる雪の目が怖くて、壁に身を寄せる。
でもそっと抱きしめてくる雪には抵抗できなかった。
「そんなの困るっ、私は‘友達の彼氏’って肩書きの雪で遊んでただけ。肩書きのない雪なんて興味もわかないんだから。今まで通りで何が悪いの?別れないって約束だったでしょ?」
雪に対して睨んで、反論を許さないと捲し立てる。
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