始まりの朝

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「うわぁ。」 嫌な夢を見た。 死者が人を殺す夢。 おかげで息切れがする。 ブーッ ブーッ ブーッ 携帯電話のバイブ音 〈着信中 逞〉 ディスプレイを見ず通話ボタンを押す。 「はい。蘭です。」 「オハヨー♪」 聞き覚えがある声。ディスプレイを確認する。 「た~く~ま~。あんた一つ屋根の下に居るんだから、わざわざケータイ使うなよ。ケータイ使いすぎで怒られたでしょう。」 「良いじゃん♪」 電話の向こうの膨れっ面が目に浮かぶ。 「ハイハイ、今からそっち行くから。」 電話を切りため息をする。 弟の逞は成績も私より善いから、高校だって他にも選べたのに私が心配だからと言って同じ高校に入学した。優しいのは解るけど、個々まで来るとシスコンだ。
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