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ミステリーコーナーには、大きな本棚に上から下までミステリー小説がぎっしりと詰まっていた。
俺にとって夢の国。
しかもここの図書室はミステリー小説がかなり豊富だ。
珍しい小説まで置いてあるしテンション上がるわ。
そして、俺のお目当ての小説は端っこにひっそりと並んでいた。
寺田 勇というミステリー作家のデビュー作、『背中の爪痕』。
寺田勇は全てのプロフィールが
明かされていない、存在までもがミステリーなミステリー作家で、最近3作目の小説、『闇の中の太陽』がベストセラーとなった話題の作家だ。
俺はこの人の書く小説が大好きで公式ファンサイトというのにも会員登録している。
寺田勇のデビュー作はあまり市場に出回っていないのでとても珍しい。
ファンの間で高値で取り引きされてるし、寺田 勇ファンの俺もレアだからもちろん持っていない。
この図書室にあるなんて感激だ。
俺は本棚の前で少し立ち読みすることにした。
今日友達できなくて落ち込んだ気持ちが、本を読むことによって
泡のように消えていく。
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