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遥斗はラーメンを食べ終えると、丼をテーブルの上に置いて両手を合わせていた。
「ごちでした。すいません新道さん俺だけ食べまして。」
「いいえ。」
「あっと借金の金利を詳しくいいですか。時と場合に依るとはどういう事でしょうか。」
「うむ。借金は全額返済出来ない場合は、月末に借金の一割を必ず返済しなければなりません。月末に一割を返済出来れば金利は付きませんが、返済出来ない場合は、借金が一割増える事になります。この場合利息が月に一割と高額になりますので注意が必要です。」
「……。んっっっ……。」
「うむ。更に解りやすく言うと、例えば遥斗さんが一万円借金しました。残高を増やして一万円全額返済するか、月末に千円返済すれば金利は無料です。しかし、月末に残高がなくて返済出来ない場合は、千円が金利となり、借金が一万千円となるのです。」
「なるほどです。一割の金利かぁ。ですがそれを踏まえてもかなり良心的ですね。」
「うむ。金額の少ない内はそう思えるでしょうが、高額になると首を絞める事になるでしょうね。一千万円を越える事態にもなるかもですよ。」
「一千万円を越えるとどうなりますか。」
「それは聞かない方がいいのでは、そうそう一千万円借りないでしょうからね。仮に借金してもギャンブルで勝って返せばいいのですよ。」
「そうかぁ。そうですよね。負ける事とか考えないようにします。」
新道は振り向いてテーブルの上のバッグを手に取ると、扉の方に歩いて行った。
「では一通りの説明は以上なので私は帰りますよ。他にも分からない事は、ブールで聞いて下さいね。すべて本部からお答えします。」
遥斗はソファーから立ち上がり、新道を見送ろうと声を掛けようとしたが、新道は思い出した様に遥斗に言葉を掛けていた。
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