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新道が帰った後で数時間が過ぎた頃、遥斗はジュースを飲みながらリビングのソファーに腰を降ろして考え込んでいた。
実際胴元でギャンブルをすると言っても簡単ではない。
胴元側が有利なルールでは客が来ないだろ……。
胴元が必ず儲かって、尚且つ客が勝負してもいいと思うようなギャンブルを考えないといけない。
「更に最大の問題があるんだよなぁ……。」
遥斗が最大の問題と口にした理由は、胴元側のギャンブルの費用の事で、ブールに問い掛けた時に聞いた内容だった。
『胴元側でギャンブルする時はまず場所を借りて下さい。スカーズでは一時間三万で場所を貸し出しています。場所はギャンブルエリアに並ぶ家の一つをお貸しします。貸し出しを申請しましたら、当社が指定した家に入りギャンブルの準備をして下さい。準備ができましたらブールに営業開始と話し掛けて下さい。その瞬間貴方が胴元のお店が開店します。』
遥斗はソファーに仰向けになって、天井を見つめながら更に考え込んでいた。
なるほどなぁ……。
スカーズが銀行システムにしたのにはちゃんとした理由があったのか。
正直手元に札束があった方が、金持ちになった気がすると思えるのだが、電子マネーにした理由はこの国のギャンブルのシステムならではだ。
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