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遥斗がスカーズには銀行システムが必要と思った理由は、ギャンブル側の事もブールで聞いたからだった。
『ギャンブル側で挑戦する時はギャンブルエリアへ行って下さい。ギャンブルエリアの家の前に設置されている中型のブールの画面に、営業中と書いてある家は、胴元側が営業している証拠です。家に入り経営している胴元からギャンブルのルールを聞いて下さい。沢村遥斗様がギャンブルに納得したら勝負開始です。納得しない場合は、家から出て行けば大丈夫です。ギャンブルが開始したらスカーズ本部からギャンブル状況をすべて見ていますので勝ち負けのお金の動きはご安心下さい。』
日本のパチンコとかと違って、この国では適度な軍資金が分からないから、いくら金を持ち運べばいいか分からないよなぁ。
考えたら銀行システムは素晴らしい。
仮に胴元が大金を負けても、必ず金が動くのだから、騙される心配もないんだ。
「問題は、胴元で勝負する時の場所代が結構響いてくる事だよなぁ。一回の勝負が時間が掛かり過ぎるギャンブルは、極力避けた方が利口かもだ。短時間勝負で尚且つ効率の良いギャンブルかぁ……。」
ぶつぶつ一人言を呟きながら考え込む遥斗。
時間は刻々と過ぎていき、一時間が経過していたのだった。
「うっし。」
遥斗はソファーから立ち上がると、行動を開始していた。
「タクシーお願いします。」
遥斗は家から外に出ると、住宅エリア近くの道路付近に立っていた。
ブールはGPSが搭載されている為に、タクシーは遥斗の立っている場所の前に止まっていたのだった。
遥斗はタクシーに乗り込むと、ギャンブルエリアへと向かっていた。
暫く考えても自身が胴元で勝負するギャンブルを、考える事が出来なかった遥斗は、まずは今後敵となるであろう他の胴元ギャンブラーを知る為に、ギャンブルエリアへと足を運ぶのだった。
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