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遥斗の乗せたタクシーがギャンブルエリアに到着すると、遥斗は辺りを見渡しながらタクシーから降りていた。
ギャンブルエリアには、住宅エリアと同じ白い家が、十件並んで建っていたのだった。
十件の家の前には、中型のブールが設置されており、更には扉の上にも小型のブールが設置されていた。
ふぅーん。ここがギャンブルエリアか……。
このエリアの家を借りてギャンブルするのなら、胴元側が同時に営業できるのは十件までと言う事かな……。
遥斗が何気に十件の家を見渡すと、中型のブールに営業中の文字が描かれている家が一軒だけあった。
「おっ。誰か営業中している。これは敵をするチャンスかも。」
遥斗は足早に営業中の家に近寄ると、扉の上の小型のブールに視線を動かしていた。
「んっ。これは情報になるのかなぁ……。」
扉の上の小型のブールには、情報が描かれていたのだった。
本日訪問20人
退場0人
勝者7人
敗者13人
「んっと。恐らく訪問が営業中の家に入った人数で、勝負して勝った人間が七人で、負けた人間が十三人って事だろう。退場は、家に入ったけど勝負しないで帰った人間の事かなぁ……。」
小型ブールの情報を、自分なりに解釈した遥斗は、確信を得る為に小型ブールの意味をブールに問い掛けていた。
ブールからの返答は、遥斗の推測と見事に一致していたのだった。
『小型ブールは、営業中の家にのみ描かれます。家の前の中型のブールに営業中の文字が描かれていますと、小型ブールに家の中のギャンブルの情報が描かれます。情報は、上から訪問した人数。次に、訪問したお客様がギャンブルを行わずに退場した人数。次に、お客様がギャンブルに勝った人数。最後が、お客様がギャンブルに負けた人数となります。また、中型のブールに営業中と挑戦中の文字が一緒に描かれている時は、お客様が家に入っていますので、扉には鍵がを掛かり、家の中に入る事は出来ません。お客様が家から出た瞬間に、小型ブールの情報が更新されます。』
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