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遥斗が家の扉を開けて家の中に入ると、一本道の通路の五メートル先に、もう一つの扉があった
身体の中で緊張感が姿を現したのを認識すると、気持ちを落ち着かせて進み、通路先の扉を開けて部屋の中に入って行った
「いらっしゃいませ」
遥斗が部屋の中に入ると、いきなり声を掛けられる
部屋の中は十畳ぐらいの広さで、中心部に縦横二メートル程の少し大きめの黒いテーブルが一つ置いてあり、そのテーブルに向かい合う形で椅子が二つあるだけだった
一つの椅子には声を掛けて来た男性が座っていた
「ようこそいらっしゃいました。まずはお客様、椅子にお座り下さい。当店のギャンブルを説明します」
部屋の出入口で立ち尽くす遥斗に、男は椅子に座るように言った
「解りました」
遥斗は椅子に歩み寄り、腰を降ろして座り男と向かい合った
遥斗は目の前のテーブルに腕を置き男性を見つめる
遥斗は目の前の男性の、スーツ姿に落ち着いている佇まいが、何処か紳士的な印象を受けていた
「私は今日初めて胴元側を営業させて貰っている牧(まき)と言う者です。今回私が用意したギャンブルは、積み木チャレンジです」
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