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牧は床に置いてある紙袋から、五つの積み木と砂時計を出していた。
「それではルールを説明します。まずは五つの積み木を重ねていき、組み上げた積み木をテーブルの上に置きます。積み木がテーブルに立ち上がった所で、次に砂時計を逆に立てます。砂時計の砂が上から下にすべて落ちた時に、積み木が崩れずに、立ち続けていたら成功です。ルールはこれだけです。」
無言で説明を聞いていた遥斗は、ギャンブル内容に驚いて牧に質問していた。
「えっ。それだけですか。積み木を立てるだけっ……。」
「そうです。それでは解りやすく一連の流れを、実際に私がやってみましょう。」
牧は五つの積み木を、一つ一つ重ね始める。
手際よく重ねていくと、組み上がった積み木は、一つの長方形のような四角になっていた。
組み上げた積み木を、牧は目の前のテーブル上に置くと、長方形になった積み木が、牧の目の前のテーブルに立っていた。
続いて牧は砂時計を逆に立てて、テーブルの上に置く。
上に貯まっていた砂が徐々に下に落ちて行き、砂時計の砂がすべて落ちた時に、牧が組み上げた積み木は、崩れる事なくテーブルの上に立ち続けていたのだった。
「積み木チャレンジの一連の流れは以上です。制限時間内にこれができれば、お客様の勝ちとなります。砂時計の砂がすべて下に落ちる前に、先に積み木が崩れれば私の勝ちとなります。それが私の提供する積み木チャレンジです。」
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