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もしかしたらあの子供の親は、裏カジノを経営しているかも知れない。
当然カジノは違法だ。
だから警察がマークしない子供を使って人材集めをしているのかもだけど……。
それって犯罪だよなぁ……。
まぁ会って話しを聞くだけだ。
やばそうだったら逃げればいい。
ここまで来たんだいくぜぇ。
様々な思いを胸に秘めて、遥斗は廃墟ビルの中に入って行った。
「怖っ!」
廃墟ビルの中は暗闇で何も見えない状態だった。
渡された懐中電灯で足元を照らしながら、遥斗は恐る恐る歩を進めて行った。
「やっぱり帰ろうか……。実際こんな場所で待ってる事態やばいよなぁ。でも今さら帰った所で明日からどうする……。もしかしたら今日で何か変わるかも知れないんだ。それに賭けるしかないんだ。」
引き返したい思いとは裏腹に、僅かな期待を胸に遥斗はビルの一階を進んで行く。
懐中電灯の灯りを頼りに進む内に、遥斗は二階に続く階段を見つけていた。
階段を登り二階に到着すると、暗闇の中に一ヶ所だけ光を放つ部屋を確認していた。
「あの部屋か……。」
遥斗は吸い込まれる様に光の部屋に向かっていた。
「ふぅ……。」
ドクン……。ドクン……。
遥斗の心臓が大きく鼓動する。
先程の疲れや空腹が消えてしまうぐらい、遥斗の身体は緊張で支配されていた。
「ふぅ……。うっしいくぜ。」
勇気を振り絞って光を放つ扉を開けると、光の先で見た光景に遥斗は驚いていた。
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