中橋学園

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  4月5日。幸裕が神沢市に引越してきた翌日でもあるこの日は、幸裕の通う学校の入学式でもある。 市内にある4つの高校の内の一つである中橋(なかばし)学園。 学力はそこそこの学校だが、敷地の広さでよく知られている。 普通の学校の約1.5倍の広さを誇り、校則があまりきつくないので、多くの中学生が目指す高校である。 幸裕も、自分の学力にもあっている上で、そのような場面に惹かれて受けたのだろう。 現在、入学式という非常にだるい行事を終えて、クラスの教室の席に座っている幸裕だが、体をそわそわさせている。 「―――です。―――中学から来ました。趣味は―――で………」 ――あぁ、もうすぐで順番が回ってくる! より一層そわそわさせて、教卓の前で話しているクラスメートを眺めている。 どうやら、お決まりの自己紹介をやっているようだ。
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