ネフティス夜皇国のとある一日

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 「おーいナフ!アル坊が消えた」  その報告がもたらされたのは、ある日の昼下がりのことだった。 「そうか」 そしてそれは、あまりにも軽く告げられたためにナフードは一瞬流しかける。 それから内容がしっかりと頭の中に入ってきて、ナフードは思わずガタリと立ち上がった。 「はぁ!?」 「いやだから、アル坊がいないってさ」 そう告げるのは同僚のヴァプラ。アル坊というのはここ、ネフティス夜皇国の王、アルナスルのことである。 「今日は大事な軍議がなある日だろう!?」  叫ぶ反面で、またかという思いもある。 ナフードの目の前にいる男、ヴァプラの影響だと思われる王の放浪癖は、なにも今に始まったことではない。 大切な用事をほっぽりだすことは割合よくあることだった。 ただ、問題なのがそれが今日だということなだけで。  「そう!軍議があるだろう?そこで、俺たちがアル坊を連れ戻しにいこうと思ってな!」 ヴァプラがなぜかわくわくしているように見えるのは、きっとナフードの勘違いではないだろう。 「シェリィ」 ヴァプラを呼ぶ。 「お?」 「今日、町ではなにをやっている?」 ナフードの問いかけに、ヴァプラは目をぱちぱちさせてから笑った。 「祭りだ!アル坊は絶対それを見に行ったに違いねぇ」 「お前!絶対それお前がみたいだけだろう!!」  アルナスルをだしに、どうしても見れないはずだった祭りを楽しみにいくつもりだ。絶対。 .
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