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ナフードを誘ったのは、一人が寂しいからという理由が半分。軽い嫌がらせが半分といったところだろうか。
ナフードも祭りを楽しめば、ヴァプラに小言を言えなくなるわけで。
多分おそらく絶対、それが図星だったろうヴァプラは、しかし開き直っているのかあっけらかんと言った。
曰わく。
「そりゃそうだけど、アル坊いないと困るのは確かだろ?」
一人でいけと思いつつ、一人で行かせるのがとてもとても不安だったナフードは、結局押し切られる形でアルナスルを探しに行くことを承諾した。
がしかし。
「しっかり捕まってろよ!」
「いや無理だろこれ」
竜族であるヴァプラが変化、もとい本来の姿に戻り、ナフードはそれに乗る。
その予定だったのだが、ここで少々どころでなく問題発生。
『だって小さくなった時荷物増えるだろ』とヴァプラ。
鞍無し手綱無しで、ベルト一本が手綱代わり。
「落ちるって」
「鬣掴んでりゃだいじょーぶ!」
力強く宣言したヴァプラ。しかしナフードは不安を拭えない。
「……なるたけ安全飛行で頼む」
「任せろ!!」
ものすごく不安だ……。
そんなナフードを乗せて、竜は空へと舞い上がる。
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