2/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
窓から街を見下ろす。それが、彼女の毎日の習慣だ。 寒さのせいで曇ったガラス。 そのガラス越しに見える街は、雲に浮かんでいる様な、不思議で、少し幻想的な雰囲気さえする。 ここからは、街の大部分が眺望でき、海も見える。 特に彼女のお気に入りは、あの時計台だ。 高さ六○メートル程の、この街では最大の建物であり、教会でもある。 その奥には森が広がり、手前にはカントリー風な、レンガ造りの家が立ち並んでいる。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!