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心臓の鼓動が、とくんとくんと速くなる。
貴方の横顔を、ちらりと見た。
「何?」
視線がぶつかる。
「えっ、あの…なんでもない」
顔が熱くなる。恥ずかしくなって、下を向いた。
「もうすぐ誕生日だね」
「そうだけど、どうして知ってるの?」
「内緒」
貴方は笑って立ち上がった。
「当日は空けといてね。お祝いしよう」
……ずるいよ。貴方、私のこと何でも知ってるみたい。
居ても立ってもいられなくて、私は貴方の胸に飛び込んだ。
背中に、そっと腕が回された。
「私…貴方のこと、何も知らない」
「これから少しずつ、話すよ」
耳元で、ささやく声。
貴方の唇が、頬に軽く触れた。
「僕も、自分のこと知ってほしいから」
貴方ははにかんだ笑顔を見せた。
繰り返す、波の音。
貴方の胸に、私は顔をうずめた。
貴方の温もりをずっと、感じていたくて。
―――――To be continued...
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