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私はその時、その扉の向こうで少年がいるなどとは気付かずに開けようとノブを掴んだ。
ガチャ!っとドアは私を勢い強く持っていく。
その時、向こう側にいた少年と思いっきりぶつかった。
少年と私はふらついて地面に倒れた。
「「いった……」」
私はすっと立ち上がり、汚れた服を叩いたのと同時に、少年も立ち上がる。
「一体何なのだね!こんなに勢いよく開けて!」
「すみません!僕、初めてここに来たんで…。」
そう言いながら、頭を下げきっちりと体に手を沿わせる。
「………初めて…そうか。
君がロルズ・ディス・トールかね。
私はファイン。そう呼んでくれたまえ。」
少年―ロルズは私の言葉を聞いてポカーンと口を開けた。
「何かね…。」
私は嫌そうにロルズを見ると、ロルズは慌てて口を閉じ、顔を赤らめていた。
「それより、どうして知ってるの?僕の名前…。」
「死神など誰でも知っておろうが。」
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