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ドアの向こうから、クスクスという笑い声が聞こえる。
「ふふふ。」
「どういうこと。」
「鍵掛けちゃった♪」
「冗談はよして。」
「本気だよ?あんたうざいのよ。ずっと前から思ってた。私の好きな人を誘惑したりさ、私に満点のテストを見せびらかしたり…。そこで一生反省してな!あはははは!!」
「なによそれ、出しなさいよ!」
笑い声は遠ざかっていく。
校庭に他の生徒の姿は見当たらない。
涙目になりながら、辺りを見回していると、いきなりなにかに足を引っ張られた。
私は地面に体を打ち付ける。
「いたっ…」
私はどんどん、屋上の落下防止のための低い柵に引きずられていることに気づいた。
「ひっ…!」
振り返ると、顔がグチャグチャグズグズの女が私を柵の上に持ち上げようとしている。
落ちる…!
体をじたばたさせるが無意味だった。
体が柵を越え、私は風に包まれる
悲鳴をあげる暇もなく、北校舎の壁が目前に迫る。
ああ、この壁は友人だったやつが言ってた色違いの壁か…
私の意識は、顔が壁に触れる直前になくなった
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