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18歳の正美は進路相談室にいた。
「進学しないのか?就職は?」
ハゲた担任高島がマニュアル通りの質問を始めた。
「フリーターでいいです。進学はお金かかるし。就職はかたっくるしいから気軽にバイト掛け持ちして生きていきます。」
「でもな~・・・受けるだけ受けてみたらどうだ?お前は体つきがガッチリしてるから自衛隊とかどうだ?」
(こいつ何気に失礼なこと言うし。)
「・・・やだ。」
「・・・・白井、お母さんに三者面談のプリント渡してないのか?」
「破って捨てた。お母さん、お父さんの介護してるからどっちにしろ来ないし。」
「そっか・・・。でも一応この先生が選んだ消防署の面接は受けてみなさい。ダメもとで。」
「・・・はい。」
あー、面倒くせ。
まぁ高島も先生っていう立場からいろいろあるだろーから受けてやるけど。
正美はバイト先の居酒屋に自転車で向かった。
本当は正美はアニメーションの専門学校に行きたかった。
でも言えるわけがない。
お父さんは去年脳梗塞になって半身不随になってしまって生活も苦しいのに
そんなこと言えるか?
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