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泣きたい
君はそうつぶやいた。
あぁ、そう。泣けば?
僕はこう答えた。
優しい言葉なんて、思いつかない。
冬の寒空の下、ずっと手をつないでいる。
つないでいるのに。
ちっとも温かくならないんだ。
ねえ、どうしてだろうね。
このベンチに座ってどのくらいだ?
つないだ手に力を込める。
君の感触にどこかほっとする。
なによ、いじわる。
こんなときくらい優しくしてくれたっていいのに。
君は唇をとがらせ、小さく足をふった。
ちくしょう、かわいいことしやがって。
ねえ、好きだよ。
そう言うと、君は表情を一変させて笑うんだ。
僕の大好きな笑顔。
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