優しいナイフ

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あなたは夜な夜な出かけて行く。 私が眠りについたのを確認して、明け方静かに帰ってくる。 いつも同じ香水の香を纏って。 気づいてたよ。 もう、ずっと前から。 あなたに好きな人がいること。 もう、私に恋愛感情を抱いていないこと。 あなたは、とても優しい人だから。 私を傷つけないように笑う。 私を突き放せないでいる。 だけど、とても素直な人だから。 私に触れなくなった。 毎日していたキスもしなくなった。 あんなにも大好きだった優しさも素直さも、今はただただ辛い。 けれど、彼が別れを告げようとする度、それをはぐらかしてしまう。 あなたはその度、ため息をつく。
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