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泣いた。だって僕は好きだった。
遠ざかって行く背中に手を伸ばす。
どうしてヒールの靴を履いてきたの?
小さくなる足音は、嫌でも君との距離を感じてしまう。
君の言葉は、いつも僕の心を揺らした。
鼓膜をついて、馴染んでいく。
だけど、今日の言葉は違う。
体がね、拒否するんだよ。
いつも君が揺らしていた鼓膜なのに、今は固まって機能しない。
馴染ませようとしないんだ。
涙となって吐き出される。
泣いた。だって僕は好きだった。
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