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1人取り残された晴奈は解りにくい地図を片手にイライラとしていた。
「え~と……ここがこの階段で……」
「あの~?」
1人でブツブツと言っていると1人の女の子が後ろから声をかけてきた。
「え??」
「あっクラス何階ですか?」
「え……え~と……3階ですけど……?」
少し引きつった笑顔で笑いかける晴奈。
「あ~一緒だ!一緒に行こう??」
そう言うとその女の子は晴奈の腕をひっぱった。
「えっ、うん」
晴奈はひっぱられるようにして付いていく。
晴奈と同じ茶色い髪に短いスカート。
晴奈は「仲間がいた」と引きずられながら勝手に親近感を持っていた。
これが理恵(りえ)との出会いだった。
理恵とはクラスは違ったものの、2つ隣のクラスということもあり、すぐに仲良くなった。
クラスに入るとまだ半分くらいの人しかいなかった。
まずは席を探して自分の番号のある席に腰をかけた。
晴奈の席は窓際の真ん中らへん。
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