プロローグ

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 俺は今日、高校の入学式だ。  公立の普通科。結構頑張って勉強して、地元じゃ一番頭の良い学校だ。  今日からそこに通う。中学ん時の友達も何人かいるし、新しい受験の時に仲良くなった奴も受かって、今日から同級だ。正直、楽しみ過ぎる。  まあ、そんなこんなだから俺は今日早めに家を出た。本当は九時までに昇降口前に貼り出されている自分のクラスに入ればいいんだけど、気が逸って八時に家を出てしまった。学校は家から自転車で十五分くらいの所だから、だいぶ早い。  だから、俺は余裕を持って自転車を漕いでいた。耳にはイヤホン。お気に入りの音楽を聞きながらだ。  今年から自転車を漕いでいる時にイヤホンをしていたら捕まるらしいが、まあ正直そんなもんで捕まる気はしないので無視。  住宅街の人通りの少ない道を、のんびりと進む。途中ゴミ捨てに出ているおばさんを二人くらい見た。  T字路を右に曲がる。右に曲がると、これまた右手に小さな神社が在る。  神社を囲むように木が立っていて、少しの敷地と、奥には朱色の褪せた小さい社。住宅街にあるので、少し周りの景色から浮いている。  
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