目が覚めたらそこは

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 ……とりあえず、なんだろう、この状況は。ていうか、なに? ホント。いやいや、マジで何よ。  え? 状況の整理? できるわけねーだろ。まず状況がわかんねーもん。  黒い光があって、女になって、森にいる? 馬鹿か。どこのファンタジーだクソ野郎。  とりあえず歩いてみるか。突っ立っていてもなんも始まらん。  そう思って歩き出す。リングワンダリングとかあるかもしれんが、立ち止まっているよりもマシだ。  俺は音楽プレイヤーの電源を切ってポケットにしまう。途端に周りの音が耳に飛び込んできた。  鳥の鳴き声とか獣の鳴き声とか虫の鳴き声とか、うん。ホントにここ日本か? と言う感じの音が聞こえてきた。  不安か不安じゃないかと聞かれると即答で不安だと答えるのだが、いかんせん不安だと言う相手もいないしもしこの場に人がいたらそれはそれで怪しい人だと言わざるを得ないので不安だとか言わないけど。  結局不安だと思っていてもその不安を吐き出せる相手がいないので、何も言わずに歩き出すしかないのだが。  ところでリングワンダリングとは真っ直ぐ進んでいるように思っているのだが、実は少しづつ曲がっていて何時の間にか一周してもとの場所に戻ってくるという、俄かには信じられない現象なのだが、どうやら本当にあるらしいというのを身を持って体験した。  とりあえず森の外に出ないかとずっと歩いていたのだが、なんか見覚えのある道というか樹を見かけて、可笑しいと思って印を付けると正しく同じ道を通っていたのである。  その事実に本日何回目かわからない驚愕に身を震わせながら、どうやら右回りに回っているようなので若干左に進む様に意識しながら進む。  歩き始めてから三時間くらい。現在時刻は十二時前だ。入学式には完全に遅刻。まあ、そんなことは気にしてられないけど。  とりあえず出口には近付いている気がしなくもない。  歩き疲れた。そんな気持ちを身体中に滲ませながら、俺は歩き続けた。  
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