深夜の口げんか

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
その日は、部活で疲れて 夜9時には布団に入った。5月末の頃だ。 少し、暑かったので 薄い毛布をかけてた。 隣には、弟が眠っている。私には二人の弟がいた。 小4と小1の育ち盛りの いたずらっ子だ。 「何よ、あなたが…」隣の部屋から、両親の 話し声が聞こえてきた。 何やら、おかしい。 いつもと様子が変だ。 襖だけで仕切られた部屋。 「バシッ!」 何?…叩く音だ。 父が、母を? え、嘘! 何があった? …また、叩く音 「あなたが悪いんでしょ!」 「何を言ってるんだ?… 俺に向かってくるなんて、何て女だ!」 バシッ!バシッ!バシッ! しばらく、夫婦の喧嘩が続いた。私には、信じられない出来事だった。あの両親が、何故だろう… 隣で眠る弟たちは知らないはずだ。聞かせたくない。 私は枕の上に、涙をこぼした。我慢できる状態じゃなかった。今までの、家族と過ごした楽しかった日々は、なんだったんだ? 両親の喧嘩は、それから、毎晩あった。 そのたびに、私は 涙を流し 翌日、 元気なフリして 中学校へ行った…
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!