第2章:男の子から女の子へ?残酷で冷血な病

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バッティング終了後、他の部員はグランド整備を始めている。 監督から呼ばれた俺はようやく監督室のドアの前に立っている。 自分がバッティングが終わったらそこでバッティング練習終了ではない。 そこからあらかじめ班を作っていて、バッテリー(投手と捕手)、野手、野手の3班で分かれ、バッティング練習終了後に投手は投球練習を始めるため、投球の投げる球は捕手が受けなければならない。 そのため内野手(セカンド)の健司は先に練習を終えていて監督室に入っている。その証拠に部屋の前には練習靴が綺麗に置かれていた。 ―今、唯は何を思っている? ―どれだけ唯は現実に絶望した? ―明日から唯はどう生きるんだ? ―何を思い? ―何を希望にして? ―何を目標にして? ―最終的に何を唯が待っている? そんなのは俺には分からない。 けど唯の気持ちを考えてみるたびに俺の心苦しくなる。 だから今日からずっと俺は唯のことをカバーしないといけないはずだ。 ―だからっっ!! 俺は監督室のドアを開けた。
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