4人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「あぁ…だるい」
あの頃の私にはそんな言葉しかなかった。
金森妃菜――それが私の名前。14才になったばかり。本来の中学生ならきっと毎日が楽しいんだろう。 でも、私は楽しくない。 まだ着なれてない制服も嫌い。勉強も、友達も、運動も、部活も何もかも嫌いだ。学校なんて―……………行きたくない。
そんな私に学年主任の先生は言った。
「なら、心の教室に通うといいよ。」
心の教室…それは一階校舎の一番端にある、こじんまりとした所だった。
教室に行けない人や、悩みがある人が行く、言えば駆け込み寺の様な所らしい。
その担当の先生は、やんわりとしたおばさん先生で、名前を執行先生と云う。 執行先生は優しく笑いながら「大丈夫。一緒に楽しく学校にいようね」そう言いながら私の髪を撫でてくれた。なんだか変な気分……心臓が早く脈打って、張り裂けそうだ。でも………なんかすごく心地いい。こみあげるものを押さえながら私はこくんとうなずいた。
中学2年生――私は心の教室へ通いだした。
最初のコメントを投稿しよう!