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春。
桜が散り始め、新緑が美しい季節である。
そんな昼下がり。
学校帰りの少年が、細い道を歩いている。
何時もの彼ならば、この道を通らない。
危険なので、避けている。
だが、今日は違う。
妹の誕生日なのだ。
プレゼントを選ぶのに手間取り、遅くなった。
家では誕生日を祝うため、妹とその友人、彼の幼なじみ達が集まっている。
そのため、急いでいるのだ。
(危険)とは思ったが、この道を選ぶ。
とは言え、普通の道だ。
普通乗用車が、通常のスピードで通るのには、危険はない。
ダンプなどが通らなければ、さほど、危険ではないのである。
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