エピ1

2/48
3174人が本棚に入れています
本棚に追加
/240ページ
春。 桜が散り始め、新緑が美しい季節である。 そんな昼下がり。 学校帰りの少年が、細い道を歩いている。 何時もの彼ならば、この道を通らない。 危険なので、避けている。 だが、今日は違う。 妹の誕生日なのだ。 プレゼントを選ぶのに手間取り、遅くなった。 家では誕生日を祝うため、妹とその友人、彼の幼なじみ達が集まっている。 そのため、急いでいるのだ。 (危険)とは思ったが、この道を選ぶ。 とは言え、普通の道だ。 普通乗用車が、通常のスピードで通るのには、危険はない。 ダンプなどが通らなければ、さほど、危険ではないのである。
/240ページ

最初のコメントを投稿しよう!